ジャニーズ伝説2019を観て思ったこと
ジャニーさん亡き後の『ジャニーズ伝説2019』
『ジャニーズ伝説』は毎年10月に日比谷・日生劇場で行われるA.B.C-Z主演舞台『ABC座』の演目のひとつである。
ABC座の中でも人気が高く、これまで何度も再演されてきた同作だが、特に昨年上演された『ジャニーズ伝説2018』はあのジャニー喜多川氏が
「ぼくから見ても嘘のないストーリー」
「ぼくはA.B.C-Zのファン」
と発言していたこともあって、おそらくこれが『ジャニーズ伝説』の集大成となるだろうと思わせる出来映えだった。
何ならこれで『A.B.C-Z版ジャニーズ伝説』を封印して、『ジャニーズ伝説』というコンテンツは他のグループで受け継いでいってもいいんじゃないかとすら思った。
ストーリー的にブラッシュアップされ、演者も洗練されてきて、今後続けてもこれ以上のものにならないかもしれないと思ったからだ。
しかし、今年のABC座もジャニーズ伝説だった。
ジャニーさんが亡くなった今年こそまさに伝説になるタイミングだろうとは思ったが、舞台本編以外での話題性で強いとそこばかり取り上げられて本編がないがしろにされそうだしな……なんて懸念していた。
実際、芸能ニュース等で取り上げられる際に話題になるのは「亡くなったジャニーさんのこと」「演出の滝沢秀明氏のこと」「堂本剛が曲提供したこと」あたりが主だった。
でも、たとえ本編以外の話題が強かろうと、それがきっかけで
「タッキーが演出してるなら観てみようかな」
「剛くんが作った曲聴いてみたいな」
と、劇場に足を運ぶ動機になれば、それはそれでいいのだろう。それもエンターテイメントである(?)。
この前YouTubeジャニーズJr.チャンネル・Travis Japan更新回でジャニーズJr.ライブを収録したDVD『素顔4』発売に向けたメンバーインタビューが公開されて、そこでSixTONES&Snow Man同時デビュー発表について聞かれた宮近くんが
「残酷だと思ったけど、残酷さもエンターテイメントになる」
と言っていて、それを見て以来何かというと「○○もエンターテイメント」と言うのがマイブームです。
今年の『ジャニーズ伝説』
私が見た過去2年のジャニーズ伝説は橋本・河合・五関・塚田が初代ジャニーズの4人、戸塚が明言はされていないがジャニーさん、という役回りで話が進んでいたが、今年はその構成が大きく変わった。
ジャニーズの4人は変わらないが、とっつーはジャニーさん役ではなく、ストーリーテラーとして物語を外から眺める役どころになった。
また、テーマのひとつに『ジャニーズの未来』があり、未来を担う小さいJr.の子たちがいっぱい出ているのも違いのひとつと言えるかもしれない。
去年の出演Jr.はMADEとTravis Japanが中心だったが、今年はMADEも目立つけどそれ以上に少年忍者を全面に押し出していて、若いJr.たちに対するタッキーのゴリ押し、いや、多大なる期待を感じた。
わたしの個人的な感想としては昨年の『ジャニーズ伝説2018』がベストだが、未来というテーマを盛り込むという意欲は評価したい。
未来を語るため、過去に生きるジャニーさんを演じるのではなく、過去を見つめ未来を生きる戸塚とJr.たちというかたちにしたのは良かったと思う。
それと、今年の輝彦もすごかった。
わたしが『ジャニーズ伝説』を観に行く動機として、座った状態でA.B.C-Zのショウが見られる(二部)こと、あおい輝彦氏の熱唱が見られる(一部)ことが大きいのだが、毎年わたしを笑わせに来る輝彦が、今年もやってくれた。
登場の流れとしては、アメリカから戻ってきたものの日本での活動に不満を抱くジャニーズ→悩むあおい(橋本)→心の中で未来の自分(あおい輝彦)と対話→メンバーに解散を持ちかける→ふたりのあおいで『Never My Love』デュエット、といういつもの流れなのだが、わたしが観た今までのものとは登場の仕方から違ったのだ。
今までははっしーが悩み始めるとパッと舞台の後ろのスクリーンに姿が映し出されて「何を悩んでるんだ?」と陽気に語りかけていたのだが、今回ははっしーが悩み出してもなかなか姿を現さずに声のみで語りかける輝彦。
もしや今回は声だけの出演なのかな? と観客(というかわたし)を不安にさせ始めたあたりでスクリーンに映し出されるものの、何故か逆光で顔が見えない。でもそれは輝彦。
対話も終盤にさしかかり、ようやく顔が見えてくる輝彦。
たとえどんな決断をしたってジャニーズという青春は心に残り続ける、というところで、今まではわりとセリフも溜め気味に
「あのメロディー、あの歌詞……今でも思い出せる…」
とどこからともなくマイクを取り出し『Never My Love』を歌い始めていたのだが、今回は
「ほら、今でも歌えるさ」
みたいな若干軽い雰囲気でノーマイクで『Never My Love』を歌い始める輝彦。
マイクが無い分両手が空くので、軽快に動く輝彦。
はっしーがソロで歌う前(だったかな)に、ダンディ坂野の『ゲッツ』みたいなポーズで退場する輝彦。
と思ったら再登場してまた歌い始める輝彦。
特に、再登場のあたりは油断していたところでの登場だったので、うっかり笑ってしまうところだった。
輝彦……おそろしい子……!
基本的に舞台やコンサートを見る時は自分が楽しめていたら他の人の反応はそこまで気にならないのだが、これに関しては他の観客の皆さんがどういうテンションで見ているのか本当に気になる。
今年のジャニーズ伝説っていうか今年の輝彦の話になってしまったが、まあジャニーズ=輝彦みたいなものなのでいいですよね。
二部について
二部はジャニーズの歴史を紐解くショウタイムである。
昨年はメンバー各自のソロコーナーありでもはやコンサートと言っても過言ではないボリュームで、いっそ来年から日生劇場でコンサートしてくれたら近いし座って見られるしで言うことなしだと思ったものだが、まあそれはさておき、今年は時間的には少し短くなっていたが内容的には非常に充実していた。
一番の目玉である堂本剛の曲提供で話題の『You...』はしっとりとした壮大なバラードという感じで、ちょっとJ Friendsの『People Of The World』っぽい気がした。
ただ、途中で子どもが歌い始める図が似ているというだけかもしれないが。
タッキーはこれをジャニーズとしての歌にしたいんでしょうが、是非A.B.C-Zとして音源化を……!
子どもJr.たちを含めた映像を作って久々のDVDリリースとかよくないですか?
是非ともお頼み申す!!
他に印象深いのは、久々のえび車(正式名称なんだっけ?)が登場したところ。
わたしが『えびチャンズー』を観てA.B.C-Zを知ったばかりで彼らがジャニーズであることすら知らず、ネットで検索してまとめ記事を読んで知識を蓄えていた頃、過去に舞台で披露してきたアクロバット用マシーンの数々を目にして、
「いや、これジャニーズの仕事じゃないだろ」
と思ったが、えび車とスケキヨは是非生で見てみたいと思ったものだった。
『ジャニーズの未来を見せる』という舞台でA.B.C-Zファンになったばかりの頃のフレッシュな?気持ちを思い出すことができたのは幸いだった。
あと、Hey!Say!JUMPの『Dreams Come True』を小さなJr.たちに囲まれて歌っている五関さんが明らかにパパだったことも印象深い。
小さいJr.たちのお父さんお母さんなら、実際五関さんくらいの年頃の人もいるでしょう…
そして個人的な希望だが、わたしはA.B.C-Z以外のジャニーズではシブがき隊が好きなので、シブがき隊の曲でパフォーマンスするとき『スシ食いねェ!』以外の曲をお願いしたい。
『恋するような友情を』とか『君を忘れない』とか意外といい曲もあるんですよ、シブがき隊。
ラストシングルがバラードではなく、アップテンポな曲で明るくお別れするのもシブがき隊のキャラクターに合ってたのかもしれない。
未来を担うジャニーズJr.たち
ところで、ジャニーズJr.の中にたまに「いや、これホント子どもじゃん!」みたいな少年いますよね。
わたしの目には上段右端の「久保廉」くんが、ただの少年にしか見えない。
ていうか、横に並んでる他の少年忍者たちと雰囲気違いすぎない?
でも、わたしの横でこのポスターの写真を撮っていた女性二人組が
「久保くん、今宣材写真撮ったらもっとかっこいいのにね」
「Jr.は成長早いから、こまめに写真変えてほしい」
と話していたので、きっと久保くんの魅力が目の肥えたファンやジャニーさんには分かるのだろう。
わたしがオーディション担当だったらおそらく落としていた岩﨑大昇くんや金指一世くんも久しぶりに見たらめっちゃカッコよくなっていたし、わたしには見抜けないが、ジャニーさんはかっこよく育つ少年たちの未来の姿が見えていたのかもしれない。
いわば、少年限定千里眼である。
ちょっと何言ってるか分からないですね。
今の段階でかっこいい少年を選ぶだけなら普通の芸能事務所と変わらないから、そういう将来性や個性を生かした人選をするのがジャニーズ事務所なのだろう。
是非、今後も普通の芸能事務所の子役とは違う、一風変わったJr.たちを採用していってほしい。
それより、久しぶりに画像フォルダを掘り返して思ったんだけど、このポスターのはっしー何か違わない?
顔が丸い? 眉毛が太い? メイクが濃い?