ミステリー小説を書きたいけどトリックを考えられるほど頭が良くない
小説家になりたかった
わりと本を読むのが好きで、ジャンルにはこだわらずに読むようにしている。
『赤毛のアン』と『あしながおじさん』が大好きなファンシーな一面を持ちつつ、『隣の家の少女』にげんなりしたり、『ドグラ・マグラ』は読めたけど『黒死館殺人事件』は読了できなかったり、泉麻人のエッセイを好みつつとっつーのエッセイも好きだったり、こだわりを持たずに読んでいるつもりだ。
本というか文字を読むのが昔から好きで、教科書や聖書のようなストーリー性のあるものも、新聞や雑誌のような情報伝達目的のものも、今思えば完全に黒歴史の友人に書かせた交換日記も、とにかく読んだ。
そんな中、中学時代のわたしが一番好きだったのがファミ通の新作ゲームクロスレビューだった。
「将来ファミ通のクロスレビューを書く人になりたい」という夢を持っていたのだが、アクションやシューティング系が苦手すぎてゲームライターにはなれないと断念し、高校生になってからは同じ文筆業ということで小説家になりたいと思うようになった。
わたしのかんがえたさいきょうのせってい
高校生のわたしは『指輪物語』と『十角館の殺人』を読んで、すっかりファンタジー小説とミステリー小説の虜になった。
わたしもあんな小説を書きたい!といろいろ設定を考えたものだ。
だが、設定を考えるのは楽しいが実際に書くのは大変で、設定だけなら自信作がたくさんあったがどれも書き上げるには至らなかった。
まあ、当時の自信作も今にして思えば中二感満載だが。
中でも『女子プロレスラー殺人事件』は、現在の殺人事件と過去に起こったリング上の事故が絡んだ大作ミステリーになる予定だったのだが、残念なことにわたしにはトリックを考える頭脳がなかったため、未だに未完のままである。
以前、ミステリー編集者の方にこの設定をお話する機会があり、その時は「タイトルがダサい」と言われたがわたしにはこれが精一杯。
トリックが思い付かない、ついでにタイトル付けのセンスもないのでミステリー作家を諦め、今度はファンタジーに着手した。
『指輪物語』を参考に壮大すぎる設定にしたら収集がつかなくなり、もう少しこじんまりした感じに…と考えるとみみっちすぎてファンタジー感がなくなったり、試行錯誤を繰り返した末にやっと書き始めた小説『ドラゴンファンタジー』。
ドラクエとかFFみたいな世界観で、魔王という世界共通の敵を倒すワールドワイドなプロジェクトを任された商社社員・田中正男の冒険を描いたもので、自サイトで連載していたが、徐々に更新が滞り放置気味になり、今では自分でもどこにデータがあるのかわからない。
確か勇者田中が他人の家の壺を割ったり、村人が「ここはファミコンむらだよ」って延々言い続けたり、女戦士がグラビアアイドルでビキニアーマーだったりするのだが、今続きを書いたら勇者ヨシヒコのパクリって思われそう。あと、やっぱりタイトル付けのセンスがない。
ミステリーのトリックは頭がいいものばかりではない
「頭が悪いからトリックが思い浮かばない」と書いたが、実際のところ、ミステリーのトリックは必ずしも頭がよさそうなものばかりではない。
架空の組合を隠れ蓑に銀行まで穴を掘ってお金を盗もうとする緻密なんだか大雑把なんだか分からない窃盗団とか、プレハブ小屋での密室殺人がクレーン車でプレハブ持ち上げてひっくり返したことによる転落死だったとか、語り手が犯人だから都合の悪いことは文中に書かれていなかったとか、誘拐事件のキーワードが『ガッツ石松』とか、結構力技なトリックのミステリーもこの世にはたくさんある。
そんな頭の悪いトリックの数々の中でも、わたしの心に深く残っているものがある。
それは、『名探偵コナン』のわりと初期のエピソードで、ロック歌手がカラオケで打ち上げ中におにぎり食べて死ぬ話だ。
そのトリックは、服に毒を塗っておいて手に毒が付くように仕向け、おにぎりを手掴みで食べさせて殺すというもの。これから初期のコナンを見る予定だった方、ネタバレしてすみません。
被害者がおにぎり食べなかったらどうするんだとか、箸を使って食べるかもしれないじゃんとか、そんな即効性のある強力な毒を衣装に塗って衣装に影響出てないのかとか、いろいろ疑問があったため、未だに印象に残っている。
こんなエピソードを未だに覚えてるのは、きっとわたしと青山剛昌先生くらいだろうと思っていたが、妹に話してみたら
「あぁ、ブラッディビーナスのやつね」
と、被害者が振り付きで歌う持ち歌のタイトル、そして振り付けの内容まで覚えていた。
後日、妹も友達と話している時にさり気なく(?)ブラッディビーナスの話を出したら、
「犯人の美人マネージャーが、タツヤのためにきれいになろうと整形してたんだよね」
と、エピソード自体はもちろん犯人の情報もばっちり覚えていたらしい。
赤井も安室も出てこないけど実は人気エピソードなのか、ブラッディビーナス。
最強の男・京極
『名探偵コナン』といえば、どんどん近未来ツールが開発され、ばんばん人知を超えた能力を持ったキャラクターが登場することでお馴染みだが、中でも最も人外的な強さを誇っているのが、園子のカレピッピこと京極氏だ。
京極違い。
蘭姉ちゃんとか京極さんとかを見てると、これを思い出す。
青山先生は、空手のことが…全然わかってないんだ……!! と思うんですけどどうでしょう。
空手は、手足が鋼鉄のように固くなってアベンジャーズ並みの強さを手に入れることが出来るようになる武道じゃないと思う。誰か、青山先生に教えてあげてほしい。
あれ?小説書きたい話どこ行った。