あなたの苗字になるわたし
最強おっかけ軍団がうらやましい
A.B.C-Zを知ってから初めてコンサートに行くまでの間、ジャニーズの作法を学ばねば…!という謎の使命感とオタク特有の知識欲を以って、わたしはジャニーズファンの心得について調べていた。
職場のHey!SayJUMP薮くんファンの子が
「薮くんの出ている舞台を見に行ったら、ベテランファンみたいな人がいて出待ちするファンたちを仕切っていた」
「勝手な行動をとると、ベテランにシメられる」
といっていたので、気付かぬうちに何かやらかしてシメられないようにしようと思ったからだ。
調べた結果、普通にしていたらシメられるようなことにはならないと分かり、すぐにただの娯楽としてジャニーズファンの動向についてのエピソードを読むようになった。
問題行動を取るおっかけ?グルーピー?のことを『ヤラカシ』と呼び、ヤラカシたちはデビュー組のみならず一般的には知名度が低いJr.にまでその魔の手を伸ばし、ヤラカシVSジャニーズタレントの仁義無き戦いは日夜続いているという。
その中でも、特にHey!Say!JUMPは印象深い。
もともとのファンの人数が多いこともあるだろうし、若いファンが多いので刹那的な衝動に駆られてしまう人も多いのかもしれないが、JUMPファンのエピソードはおもしろい。
行き過ぎた有岡くんのヤラカシが人気アイドルグループのメンバーになった話も趣があって好きだが、いちばん印象深いのはやはり『平成処女軍団』だろう。中島裕翔ファンの中島まれを中心に、メンバーそれぞれの苗字を名乗るヤラカシ軍団だ。
とはいっても、エピソードが出てくるのはほとんど中島まれ、たまに山田えりかくらいなのだが、中島まれだけでどんぶり飯3杯はいけるくらいの濃いエピソードが満載だ。
特に、中島裕翔くんに「お前の親と話させろ」と言われ、親と話したい→親に挨拶→プロポーズされたと受け止める話が好き。ポジティブ。
いい歳になってからジャニーズファンになったわたしは常識や世間の目にとらわれてしまい、基本お金を落とすことしか出来ないチキンなファンなので、積極的におっかけたりやらかしたりする元気はない。
そんな元気にヲタ活動ができるなんて何だかうらやましいが、タレント側からしたら迷惑すぎるから、まぁおとなしくお金を落とすだけのファンの方がいいよね。
ところで、A.B.C-Zにはヤラカシ軍団っていないんですかね?
五関オタエル(仮名)
有岡はるかとか中島まれとか、ヤラカシは好きなタレントの苗字を名乗るようなので、つまりそういうことだろう。五関オタエル(仮名)。
激しくダサいな…
いっそ「五関晃子」とかの方がいいのか、でもそれだと五関さんが女装する時の偽名っぽい。
インパクトのあるかわいい名前じゃないとヤラカシ感が出ないのかもしれない。このあたりセンスが求められるので、有名ヤラカシの皆さんはいいものを持っている。本名の人もいるだろうが。
「橋本花子」とかだったら、まさに橋本さんちの花子ちゃんって感じだもんね。
べつに五関担ヤラカシとしてブログやTwitterデビューする予定はないのだが、ヤラカシっぽく見えるいい名前を考えるのが最近の余暇の過ごし方である。
全然関係ない話で恐縮だが、かつて『ときめきメモリアルONLINE』というオンラインゲームがあった。
恋愛シミュレーションゲームの金字塔『ときメモ』を土台にしたはずだが、ときメモらしさはさして感じられず、だからといってオンライン特有のおもしろさがあるわけでもなく、ユーザー数も伸び悩み早々に運営が終了してしまった悲運のゲームで、わたしは『佐藤まりな』(仮)という名前で遊んでいた。
本名ではないがそういう名前の人が実在してもおかしくない、キラキラネームではないが響きがかわいらしい感じで、わりと絶妙なネーミングではないかと自画自賛していたが、ある日
「もしかして、○○のマリナさん?!」
とまったく面識のないプレイヤーから話しかけられた。どうやらわたしが名乗っていたのと同じ名前のお友達がいたようで、その人と間違われたらしい。
違いますよ~と説明はして分かってもらえたが、その時「ネットで本名っぽい名前を名乗るとめんどくさいことになる」と思い、そこからネット上では人名っぽくないものを名乗ることを決意した。何だかんだでオタエルと名乗り始めて10年以上経った。
だから、「中島まれ」はあんまりいないだろうけど、「山田えりか」とかだったら、
「山田えりかって、中学のときクラスメイトだった山田さん?!」
と思ってしまった人もこの世に3人くらいはいるんじゃないかなーと考えている。
皆さんの知り合いには中島まれさんや山田えりかさんや五関晃子さんはいらっしゃらないだろうか?
もしかしたら、その中には有名ヤラカシと間違われて迷惑している人がいるかもしれないし、ヤラカシ本人もいるかもしれない…
って、滅多にいないわそんな人。
夫婦別姓制度について
ヤラカシの皆さんの、好きなタレントの苗字+名前のハンドルネームを見ると、
「あなたの苗字になる私…って、『部屋とYシャツと私』か!」
と思う。
仕事では旧姓を名乗る女性も最近多いし、夫婦別姓制度について議論がなされたり、何なら婚姻関係も事実婚を選択するカップルも増える中、ジャニヲタは若いのに結構保守的なのかもしれない。
いや、ここで別姓名乗ってたら誰のファンだか伝わりにくいからいいんだけど。
若いうちは好きな人と同じ苗字っていうことに何となく憧れを持っているけど、社会に出て働くようになって世間を知っていくうちに苗字が変わることのめんどくささや不利益を感じるようになって、夫婦別姓を望む人が増えていくのだろうか。
となると、今後ジャニヲタの高齢化が進んでいけば、いずれヤラカシの間でも苗字は自前のものを名乗る人が増えていくのかもしれない。
それならべつにハンドルネームに苗字つけなくていいか。
ところで、わたしが『ときメモONLINE』で名乗っていた『佐藤まりな』(仮)を今名乗ったとしたら、佐藤勝利(Sexy Zone)ファンだと思われるのだろうか。佐藤龍我(東京B少年)ファンだと思われるのだろうか。
それとも、まさかいい年して好きなアイドルの苗字を名乗るわけがないという常識的判断から、本名が佐藤さんだと思われるだけだろうか。
たぶん、本名佐藤さんと思われる可能性が一番高い。