長州力が引退した話。
革命戦士、21年ぶり二度目の引退。
去る6月28日、プロレスラー長州力が1998年以来二度目の引退試合を行った。
『○年ぶり(○年以来)○度目の~~』っていう言い回し、高校野球っぽくていいですよね。
一度目の引退は1998年1月4日の東京ドーム大会で、二度目は後楽園ホール大会。
かなり規模が違うし、試合自体も一度目の時は藤田和之、吉江豊、高岩竜一、飯塚高史、獣神サンダー・ライガーの5人掛けで、今回は長州・越中・石井組VS藤波・武藤・真壁組の6人タッグマッチと、形式・メンバーともにまったく異なる雰囲気だった。
わたしは一度目の引退の頃、北海道の田舎に住んでいたし学生で自由に使えるお金も少なかったので、なかなかプロレスの試合を生で見ることはできなかった。プロレスのために上京するなんて、考えも及ばなかった。
なので今回、長州力というプロレス史に名を残すレスラーの引退興行を見ることができて、本当に幸運だった。
まあ二度目の引退だし、後楽園ホールのチケットは取れなくて映画館でのパブリックビューイングだったから、そんなに希少価値はないのかもしれないけど。
正直なところ、わたしは武藤啓司の復帰戦(グレート・ムタは武藤啓司に含まない)が気になって観に行く気になった程度武藤ファンなのだが、そんなわたしからすると、良い引退試合だったと思う。
新日を退団して長州の旗揚げしたWJに入団した越中詩郎、自ら長州に直訴して弟子入りし、WJ崩壊後もリキプロ・新日本と長州に付いていき続けた石井智宏がパートナー、「かませ犬」発言からのライバル関係が有名な藤波辰爾、レスラーとしてのスタイルが水と油な武藤、そして1998年当時は5人掛けの中に選ばれなかった元付き人の真壁刀義が対戦相手というだけでグッときた。
今風に言うと、超エモい。使い方合ってる?
あと、大会自体が全体的に長州が気に入ってたり長州と関わりがあるレスラーを中心に組み立てられていたのだが、久しぶりに見るレスラーや名前は知っているけど試合を見たことのないレスラーを見ることが出来ておもしろかった。
テレ朝の『ワールドプロレスリング』とかは前座試合なんてちらっと紹介する程度でほとんどメイン級の試合やレスラーばかりだし、そもそもテレビ中継のない団体のレスラーの試合を見ることが最近なかったので、久しぶりにひとつの興行を第一試合からメインまで通しで見て、インディー・メジャー、若手・ベテラン問わずのいろいろなレスラーの姿を見ていて、やっぱりプロレスは面白いと再確認した。
MEN'S姐さんことMEN'Sテイオーが相変わらず元気そうだったこと、久しぶりに見たら葛西純が何だかかわいかったことに大満足している。
ドラゴン藤波も元気そうでよかった。
無駄な高音質がたまらん。
引退するということ
今回長州が二度目の引退と言うことで、引退で何度目っておかしいだろ、いやプロレスなら引退を何度もするのは当たり前だろ、などプロレスファンもそれ以外の人も意見は分かれるところだろう。
わたし個人の考えとしては、一度引退してみたものの本人が納得できない部分を残していたり、まだやりきっていないと思う部分が出てきたならば復帰してもいいと思う。
なので、もはや引退芸人ポジションにいる大仁田厚の7度目の現役復帰も、本当に引退するつもりでいたけれど遣り残したことがあって復帰したのならばそれでいいと思う。
ただし米山香織、てめーはダメだ。
いや、ダメってことはないんだけど、引退試合後の10カウント中に「やっぱり引退やめます」は無いだろ、と。
「行くかどうか悩んでいたけど、米ちゃんの引退なら見に行かないと!」っていうファンもいただろうし、最後だからと無理して来てくれた人もいたかもしれないから、そんな人たちの気持ちを考えたら、大会前、せめて試合の前に決めるか、逆に試合後数日経ってから「よく考えたのですが…」って感じで発表してほしかったと思う。
現役続けてくれて、また試合を見られるのはファンからしたら嬉しいことだけど、最後だと言われていた試合の直後に引退撤回されたら
「さっきの試合の感動を返せ!」
って思ってもおかしくない。引退関連興行のチケット払い戻し対応になったのでお金は戻ってくるけど、試合で感じた感動はそうはいかないんだ…
でも、プロレスラーなんだからそれくらい常識外れなのが正解なのかもしれない。
あの時引退しなかったから、今年の10月にデビュー20周年記念興行を聖地・後楽園ホールで開催できるんだし、きっとこれで正解だったんだろう。
と書いて、「あれ?今年で20周年?」と思って調べてみたら、わりと最近のことだと思っていたあの引退騒動は2011年12月の出来事で、もう7年半も前のことだった。
昔のことばっかりグチグチ言うから、年寄りは嫌われるんですね。
そして、アイドルの卒業・引退のこと
よく、アイドルグループに長年在籍しているベテランメンバーのことを老害呼ばわりしたり、「早く卒業して若手に道を譲れ」とか「いつまでアイドルやってるつもりだよ」みたいなことを言う人がいる。
あと、ジャニーズのグループに関して「30超えたオッサンがアイドルとか名乗るな」みたいなことを言う人もいる。
そういう意見が出るのも理解は出来るが、どちらについても他人がどうこう言うことじゃないし、まったくもって余計なお世話だ。
ファンや世間様あってのアイドルではあるが、アイドルとして活動しているのは本人であり、アイドルたる自分をどこで辞めるか決める権利を持つのも本人だけである。
本人が「ボーカル&ダンスグループの嵐です」とか「兼業農家バンドのTOKIOです」って言い始めたなら、それを受け入れるが、本人たちがジャニーズ事務所所属の男性アイドルグループであると自覚しているなら、その自覚が続く限りアイドルであっていいと思う。
まぁ若手の方から「先輩!いい加減卒業してポジション譲ってください!」と直訴されたり、プロデューサーから「最近、さすがに他のメンバーから浮いてきてるよ」とさり気なく肩叩きされたならば少しは考えた方がいいかもしれないが、本人が納得できないのに周囲の意向によって辞めてしまうと本人の中で消化不良を起こしてしまうのではないだろうか。
ほら、加護ちゃんもアイドルとして志半ばでハロプロを解雇されて細々と能活動を続けた結果、結婚してママになってからアイドルユニットを結成してるし、やっぱり本人がやりきったと思えないと気持ちが燻り続けちゃうと思うんだよね。
なので、峰岸さんも柏木さんも本人が納得できるまでアイドルとして頑張ってほしいと願ってる。