オ夕工ノレ☆ブログ III

オタクOL、略してオ夕工ルのブログです。

ジャニーズの中心で愛を叫ぶ河合

ジャニーズ事務所激動の時代…になるのか?

SMAP解散新しい地図発足のあたりから、ジャニーズ事務所はブラックだ!事務所が変わらないとダメだ!という論調が幅を利かせるようになった。

わたしはジャニーズのことを知らなさ過ぎて「ジャニーズのタレントは皆ジャニーさんに食われてる」という時代で止まっている超にわかファンなので、ブラックだなんだって言うけど元々そういう同族企業のワンマン事務所だって分かって応援してたんじゃないの?と思ってしまうが、長年ジャニーズを応援してきた人から見ても目に余るということかもしれない。

たとえば、今ジャニーズJr.ユニット・Love-tuneが活動停止状態になっていて、これがファンの間で物議を醸している。

事務所の意に沿わないだけでタレントが不都合を受けるなんて!と声を上げる人、ファンが騒いだらLove-tuneの立場が余計悪くなるんじゃ…と及び腰の人、事務所に育ててもらったのだからある程度事務所が決定権を持つのは当然では?という人、自分の好きなグループの立ち位置なども影響しつつ、意見は様々に分かれている。

Love-tuneはコンサートや少クラなどでA.B.C-Zのバックに付いたこともあるので知っているが、人気も経験も実力もあるグループなのでこのままいなくなってしまうのは惜しいとは思う。

ただ、Love-tuneほどしっかりグループとして出来上がっていたかは別にして、これまでも実力あるJr.がデビューできずにいつの間にかいなくなる*1・別事務所でイケメン俳優として活動するといったことはあったし、SMAPですら解散してしまうのだから、ファンの声をさほど重視してはいないのだろうな、とも思う。

新日本プロレス暗黒時代のことをちょっとだけ

今のジャニーズ事務所を見ていると、新日本プロレスの暗黒時代といわれた2000年代のことを思い出す。

1990年代後半から起こった総合格闘技ブームの影響もありゼロ年代はプロレスが下火になっていたが、業界三大メジャー団体と言われていた全日本プロレス新日本プロレス、NOAHの中でもとりわけ新日は落ち目だった。*2

新日ばかりが特別ダメなことをしていたわけではない。

ただ、人気選手の退団が相次いだり*3その穴を埋める人材が育っていなかったり、思い付きで流行りの総合に乗っかってみて失敗したり*4流行り始めたエンタメ系プロレスに乗ろうとして失敗したり*5、ひとつくらいならまだ許せたダメさ加減が重なって、徐々にファンの信用を失っていった。

それが決定的になったのは、おそらく2006年のブロック・レスナー*6IWGPベルト持ち逃げ事件。

新日最高峰のチャンピオンベルトであるIWGPベルト保持者、ブロック・レスナーがある若手選手と組まれていた防衛戦をドタキャンしたのだ。

条件面で折り合わなかったためとも言われているが、そんな裏の事情をリング上で露呈してしまったことにファンは失望した。

対戦予定だった選手は、急遽開催されたチャンピオン決定トーナメントを勝ち上がった。新チャンピオンになった彼は、不満渦巻くファンの前で涙ながらにこう言った。

「今日集まってくれたファンの皆さん、愛してます。そして、俺はやっぱり新日本プロレスを愛してます」

その選手とは、現在新日を代表するトップレスラーである棚橋弘至選手だ。

この「愛してます」は「◯◯の皆さん、愛してま〜す!」*7とチャラくバージョンアップし、その後10年以上使われることとなる。

棚橋弘至というプロレスラーについてちょっとだけ

棚橋選手は立命館大学卒業後の1999年、新日本プロレスに入団した。

レスリング部出身*8ということで体もわりと出来上がっていたし、ルックスも悪くないし、「太陽の天才児」という明るいイメージのキャッチコピーで会社としても推していこうとしていたのではないかと思う。

ただ、ファンの支持を得られていたかというと、それほどでもなかった。

まず、棚橋選手の明るさや華やかさが目立つファイトスタイルは、当時のファンの好んだ『闘魂スタイル』『ストロングスタイル』と呼ばれる強さや痛さを全面に押し出したプロレスとはかけ離れていたこと。

その明るさ・華やかさが軽さと捉えられ、さほど実績がないうちから大きな試合等に抜擢されたことも手伝って「技や試合内容に説得力*9がない」と言われることも多かった。

そんなことで賛否両論あった棚橋選手の評価だが、それがわりと地に落ちる事件があった。

2002年、交際していた女性との別れ話のもつれから刃物で刺され重傷を追ったのだ。しかも、この女性が本命の恋人ではなく浮気相手だったという話もあり、ファンは「プロレス界の恥さらし」と罵った。

ただ、本来ならば死んでもおかしくないほどの大怪我だったが、棚橋選手は救急車も呼ばず原付で病院まで行ったという。これはプロレスラーとして体を鍛えているからできたことであり、人格はクソだがちゃんと鍛えているという点だけは評価できる、というファンもいた。

退院後、丸坊主になって謝罪した棚橋選手は、自分をクビにしなかった会社に感謝し、会社に恩返しすることを決意したそうだ。

新日が落ち目と言われるようになっても主力選手が流出が相次いでも、棚橋選手が新日本プロレスをやめなかったのは、そんな思いもあったのかもしれない。

新日本プロレスの復活についてちょっとだけ

新日本プロレスの復活を語る上で外せない選手といえば、オカダ・カズチカの名を挙げる人が多い。

16歳でウルティモ・ドラゴン主催の『登竜門』に入門、20歳で新日に移籍、2010年からは無期限でアメリカ・TNA(現インパクト・プロレス)へ武者修行という異色の経歴の持ち主で、2011年末に凱旋帰国して以降は新日にカネの雨を降らせる「レインメーカー」としてリング内外で話題を振りまいている。

翌2012年からはトップ戦線に躍り出てIWGP奪取、プロレス大賞MVPとベストバウト賞を受賞する等、まさに八面六臂の大活躍である。

女性や小さな子どもといった、これまでプロレスに興味がなかった層をファンとして取り込むようになり、プロレス女子、略してプ女子という言葉が使われるようになったのもこの頃からだと思う。

しかし、確かにオカダ・カズチカは新日復活の起爆剤となったが、オカダ選手ひとりだけの力ではもちろんない。

たとえば、親会社となったユークス*10が思い付きと新事業への投資で会社を混乱させる経営者・アントニオ猪木及び猪木一族を経営陣から追放したことが鳥獣用だし、新たな親会社となったブシロード*11が推進したSNSを中心としたメディア戦略が当たったことも大きい。

そして何より、ファンが離れ、何をやっても上手くいかないような状況にあっても、ずっと新日本プロレスを愛し続けた棚橋選手がいたからこそ、新星・オカダ選手がより輝いたのではないか。

棚橋選手以外の選手にも自分のすべきことを続けてきた選手*12がいて、どん底の中でも新たな自分の武器を見つけた選手もいて*13、そんな積み重ねが、オカダという導火線があって爆発したのだと思う。

オカダ=キンプリだとしたら

これまでプロレスに興味がなかった層をファンとして取り込んだオカダ選手、それはまさしく「今までジャニーズに興味なかったけど花晴れのハルトは好き」というお茶の間の層をコンサートにまで呼び込んだ平野紫耀率いるKing&Princeである。

登竜門→新日の流れも、ボイメン→ジャニーズに通じるものがあるし。

キンプリは、ジャニーズにカネの雨を降らせるレインメーカーになり得るのではないか。

わたしの職場のパートさんのママ友がドラマで平野紫耀にハマったのでMr.KING時代の写真集『DREAM KINGDOM』をプレゼントしたら、ママ友グループLINEに毎日平野ベストショットが送られるようになったらしい。

すげぇ迷惑なオタだな。

プロレスファンには「プロレスっていうのは技と技の応酬を楽しむものだから~(以下略)」的古参ファンと「オカダかっこいい!あ、イツザイポーズ上手く撮れたからインスタにあげよっと☆」というノリの新規ファンが混在し、時に古参が新規に「プロレスの見方が分かってない」などと説教かますこともしばしばあるのだが、「ハルトかっこいい!コンサート行って応援しちゃおっと☆」という新規オタを「ジャニーズの流儀を分かってない!」と攻撃する古参オタという構図にどこか似ている気がする。

ただ、新日本プロレスならば会社自体がSNSで新規ファンを獲得しようとしていたり、女性ファンを意識していたりという努力が感じられるが、SNSや情報公開がどちらかというと閉鎖的なイメージのジャニーズの場合、事務所のフォローが無いのに古参オタが「わかってない」「そんなんじゃない」と否定するばかりでは、せっかく新しくファンになった人も面倒だから応援するのをやめてしまうかもしれない。

ジャニーズ事務所が変わらなければいけないというなら、ファンの意識も変えていかなければならないのではないだろうか。

キンプリはある意味、試金石になるのかもしれない。

キングオタVSプリンスオタ、ティアラVS他グループオタ、古参VS新規、オタVS世間の目、といった様々な対立機軸を内包し、それがどう昇華していくかで今後のジャニーズの新たな形が見えてくる…かもしれない。

河合郁人棚橋弘至になり得るのか

そして、河合郁人である。

キンプリが彗星のごとく現れたオカダならば、ジャニーズという文化を愛しジャニーズ事務所を愛してステージに立ち続けた河合くんは棚橋なのではないか、と思うのだ。

というのも、先日ABC座『ジャニーズ伝説2018』を観劇したのだが、2部のショー部分の河合くんのソロシーンを見て、河合くんは本当にジャニーズが好きで本当にジャニーズでありたいんだな、と感じたからだ。

他メンバーももちろんジャニーズアイドルだが、はっしーは歌が好きで五関さんはダンスが好きで塚ちゃんはアイドルそのものが好きでとっつーはどちらかというとアーティスト志向で、ジャニーズど真ん中でありたいという思いが一番強いのは河合くんだと思ったのだ。

A.B.C-Zはよく『異色のジャニーズ』みたいな言われ方をするが、A.B.C-Zはジャニーさんの目指すエンターテイナーへの道のど真ん中にいるのではないだろうか。

ABC座も、堂本光一くんの『SHOCK』やタッキーの『滝沢歌舞伎』のような

新日本プロレスに新しい風を吹き込んだオカダの存在が、どん底新日本プロレスでずっと愛を叫んでいた棚橋によってより輝いたように、ジャニーズに久々に景気のいいニュースをもたらすキンプリの存在も、長らくデビューできなくても辞めずにジャニーズ愛を貫いてきた河合くんが輝かすことができたらいいな、と思う。

そして、タッキーが引退し指導の面でジャニーさんの意志を受け継ぐのならば、プレイヤーとしてその意志を体現するのはA.B.C-Zだと思うのだ。

ただ、棚橋選手は新日本プロレスが完全復活しきれない中で、賛否両論ありながらもIWGPチャンピオンとしてトップレスラーとして活躍していたけど、河合くんはそうでもないんだよなー…

最後に。

といいつつ、世間の噂通りジャニーズがメリーさんやジュリーさんの意向で動いているならば、事務所が変わるのはなかなか難しいと思う。

なぜなら、新日本プロレスはお金がなかったので親会社の言うことを聞いて創業者一族を追放したが、ジャニーズにはお金あるからだ。お金を稼ぐ経営ができていて、それがメリーさんの力なら、追放する必要なんてないと考えるだろうのが普通だろう。

Love-tuneにしても他のグループにしても、ジャニーさんだけなら「そんなにしたいならしちゃいなよ」と一定の実力があるならデビューを許す気がする。

だが、ジャニーさんはプロデューサーとしては偉才の持ち主だが経営面は多分ポンコツだ。デビューのような大きなお金が動くことについてはメリーさんも決定権を持つのは当然のことだし、メリーさんの判断でデビューを見送り、「デビューできないのが不満なら事務所をやめろ」と宣告することもあり得ると思う。

人気グループがごっそり別事務所に移籍して経営難になったり、訴えられて裁判所が正式にパワハラ認定でもしない限り、メリーさんやジュリーさんがいなくなることはないんじゃないだろうか。

ただ、期待するのはやはりプロデューサー・滝沢秀明の存在だ。タッキーはプロレスファンとして知られていて、猪木と対戦したこともある*14ガチな人だ。

新日の凋落からの復活劇のこともきっとご存知のはずなので、たとえ直接経営に携わらなくとも、ジャニーズを良い方向に変える方法を考えてくれるはずだと信じている。

そして、その際は是非河合くんを使ってあげてほしいと思う。

河合くんのことを書こうと思っていたのに、最終的にタッキー頼みということになってしまった。おかしいな。

超長文の上に論点がぼやけてしまったけれど、『ジャニーズ伝説2018』を見て河合くんに頑張ってほしくなったこととプロレスのことを書けたので満足です。

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後輩のキンプリメンバー・岩橋くんに自分のうちわを持たせ、日刊スポーツの記事に登場する河合くん。

策士だな…(何も考えていない可能性も高い)。

*1:卒業発表・卒業公演まであった小原裕貴くんってすごい存在でしたね

*2:今はむしろ、全日とNOAHが死にかけてる

*3:橋本真也はゼロワンを立ち上げ退団。武藤啓司はNOAH設立のゴタゴタで崩壊寸前の全日本へ他選手・スタッフを引き連れて移籍。わたしは武藤ファンなので全日に推し変した。

*4:2005年1月4日東京ドーム興業で行われた『アルティメットロワイヤル』。ひとつのリングで同時に2試合行うが、試合中のレスラーは隣の試合に介入できないので、ただ観客の視線がさまようだけという謎仕様。多分、PRIDEとかが流行ってるのを見て猪木が思いついちゃったんじゃないか。

*5:PRIDE運営会社とゼロワンが立ち上げたエンタメプロレス『ファイティングオペラ ハッスル』に触発されたのか『レッスルランド』を始めたが、5回くらいで終わった。

*6:WWE→アメフト→新日→総合→WWE復帰→総合復帰、という経歴を持つ。試合のおもしろさはさておき、とにかくめっちゃ強い。

*7:『○○』には地名や会場名が入る。2017年までは言っていたけど最近はどうなんでしょう。

*8:本当は学生プロレスだけど、当時現場監督だった長州力が学プロ大嫌いだから隠していたらしい

*9:プロレスファンが最も大事にしているもの。定義を言葉で説明するのは難しいので、実際に試合をご覧いただいたりプロレスファンのブログ読んだりして感じてください。

*10:プロレスを題材にしたゲームを多く開発しているゲーム会社。2012年新日本プロレスの経営から撤退

*11:カードゲームやキャラクターグッズの開発等を行っている会社。オーナー・木谷氏はプロレスファンで有名。

*12:個人的には、熱いヒールキャラを貫き続けた真壁刀義選手が好きだ

*13:永田さんの白目や永ダンスとか、スイーツ真壁とか

*14:2000年行われたビッグイベント『メモリアル力道山』にて、エキシビジョンとして対戦。当時引退していたアントニオ猪木が久々に試合をするということで、プロレスファンからも注目の一戦だった。